AI創作ラボ

AIで小説を書くための実践ガイド

2026-04-04AI小説 群像劇 複数視点 書き方

AI小説で群像劇の複数視点を書く方法とプロンプト設計

「3人の視点で書きたいのに、全員同じ人格になってる」

群像劇をAIに書かせると、視点を切り替えたつもりでも口調・思考パターン・知っている情報が全キャラで均一になる。原因は「誰が何を知っているか」を指定していないこと。

ステップ1: 視点キャラごとの「情報リスト」を作る

群像劇の肝は情報の非対称性だ。AはBの秘密を知っている。BはCの本音を知らない。この差分が物語を動かす。

自主映画の撮影現場を舞台にした3人の群像劇で試す。

【視点キャラ情報リスト】
■ 仙波(照明家)— 視点1
- 知っていること: 柏木が丸山に片想いしている
- 知らないこと: 丸山がこの映画を最後に引退する予定
- 職業フィルター: 光と影の描写

■ 柏木(制作担当)— 視点2
- 知っていること: 撮影予算が尽きかけている
- 知らないこと: 仙波が自分の片想いに気づいている
- 職業フィルター: 数字と段取りの描写

■ 丸山(監督)— 視点3
- 知っていること: 引退の決意
- 知らないこと: 柏木が予算の穴を自腹で埋めている
- 職業フィルター: 構図とフレームの描写

この設計が群像劇の骨格になる。複数キャラの会話管理の発話マトリクスと併用すると、会話シーンでもキャラが混ざらない。

ステップ2: 視点切替ルールをプロンプトに設定する

情報リストに加えて、切り替えルールも指定する。自分のキャラで使える空テンプレート。

【視点キャラ情報リスト】
■ {キャラ名A}({年齢}・{職業})— 視点1
- 知っていること: {他キャラの秘密や事実}
- 知らないこと: {この視点では見えない情報}
- 職業フィルター: {この視点特有の感覚・描写の切り口}

■ {キャラ名B}({年齢}・{職業})— 視点2
- 知っていること: {Aとは異なる情報}
- 知らないこと: {Aが知っている情報の一部}
- 職業フィルター: {Aとは異なる感覚}

全ジャンルの記入例付きフルキットはBL Prompt Kit(BOOTH)に収録している。

なぜ「情報の差」が群像劇を駆動するのか

多声構造(ポリフォニー)の原理がここにある。全員が同じ情報を持つと視点切替の意味がない。AだけがBの秘密を知っている非対称性が、読者に「Bの視点ではどう見えるのか」を推理させる動力になる。

視点制御のプロンプト設計で解説している「視点制約」の仕組みも、同じ原理に基づいている。

まとめ

  • 視点キャラごとに「知っていること/知らないこと」を設計する
  • 切替ルール(順序・タイミング・禁止事項)を明示する
  • 職業フィルターで各視点の描写に色をつける

記入例付きフルキットはBL Prompt Kit(BOOTH)で配布している。

CharaNote開発日記

「AIに口調を守らせたい」——この記事で紹介したテンプレートを、もっと直感的に管理できるツールを作っています。

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