「1話目が10PV、2話目が3PV。3話目、0。」
投稿ボタンを押したのが1週間前。毎日PVカウンターを確認しては閉じる。AIで書いた3万字の連作を、カクヨムのフォーマットに合わせて分割し、タグも設定した。なのに読まれない。
カクヨムはなろうとは読者層もアルゴリズムも異なります。AI小説の強みを活かしつつ、カクヨム固有の「読まれる条件」を満たす方法を原因別に解説します。
原因1: タグとキャッチコピーが機能していない
カクヨムの検索流入はタグ依存です。なろうのように「ジャンルランキング」への導線が太くない分、タグとキャッチコピーが検索とレコメンドの命綱になります。
AI生成の小説をそのまま投稿すると、タグは「恋愛」「現代」のような汎用語しかつかない。カクヨムでは「年の差」「片想い」「社会人BL」のように読者が検索に使う粒度のタグが必要です。
具体的には、カクヨムのタグ検索で実際に作品が並んでいるタグを確認し、読者が使っている言葉をそのまま採用します。「恋愛小説」ではなく「じれじれ」「両片想い」のようなタグの方が、検索経由の流入を拾えます。
原因2: 1話あたりの文字数が合っていない
AIに長編を書かせると1章あたり5,000〜8,000字になりがちですが、カクヨムの読者は2,000〜3,000字/話を好む傾向があります。スマホで読み切れる長さです。なろう投稿のコツで解説した4,000〜6,000字とは感覚が違います。
分割するとき重要なのは「切り場所」。各話の末尾を「引き」で終わらせます。次の展開を匂わせる一文、あるいは意外な台詞で切る。AIに分割を任せると中途半端な位置で切れるので、「各話の末尾は必ず読者が次を読みたくなる引きで終わること」と指示してください。
原因3: 冒頭の「AI臭さ」で離脱される
カクヨムの読者は文芸寄りの感度が高い層が多く、AI特有の「情景描写の一般化」「感情説明の羅列」に敏感です。AI小説の検出を防ぐテクニックでも解説していますが、特にカクヨムでは冒頭3行が勝負です。
以下のプロンプトで冒頭を調整します。
あなたはカクヨムで人気の小説家です。以下の原稿の冒頭を調整してください。
【調整ルール】
- 冒頭3行は台詞または動作描写から入る。情景描写から始めない
- 感情を直接説明する文は、動作や台詞に書き換える
- 1話あたり2,500字前後に分割する(切り場所は「続きが気になる引き」で終わる)
- 食品サンプル職人の梅原享(36歳)が、深夜のバッティングセンターで隣の打席の石動章(24歳・ドッグトレーナー)と毎週顔を合わせるうちに距離が縮まる話
【出力】各話のタイトル案、冒頭3行、末尾の引き(最後の1文)を一覧で出力してください。
before(AI出力そのまま):
静かなバッティングセンターに、金属バットがボールを打つ乾いた音が響いていた。梅原享は疲れた体を引きずるようにして、いつもの打席に立った。隣の打席には、よく見かける青年がいた。
after(カクヨム向けに調整):
ガキン、と鈍い音がした。隣の打席だ。 石動——名前は受付のボードで知った——が、また芯を外している。フォームは悪くない。タイミングが一定なのが問題だ。 「……130キロ、変化球ミックスにすると面白いですよ」 声をかけたのは、三週目にして初めてだった。
▶ 変えたのは"冒頭を音の描写に絞り、視点人物の観察眼で相手を紹介する"だけ。
ここで機能しているのはショットの切り替えです。映画でいうと、①音のクローズアップ→②隣の打席のミドルショット→③視点人物の内面→④台詞、と4カットで場面を構成している。AI小説の冒頭が退屈になるのは「ワイドショット1枚で全部説明しようとする」から。カメラを動かす指示をプロンプトに入れるだけで、文章のテンポが変わります。
投稿前チェック用テンプレート
自分の作品で使えるカクヨム最適化テンプレートです:
以下の原稿を「カクヨムの読者」に最適化してください。
【調整ルール】
- 1話あたり{文字数}字前後に分割(切り場所は「{引きの型}」で終わる)
- 冒頭3行は{開始パターン}から入る
- {除去したいAI臭さの特徴}を{書き換え先}に変換する
- {作品の概要を1文で}
【出力】各話のタイトル案、冒頭3行、末尾の引きを一覧で出力してください。
このテンプレートのなろう版・pixiv版・ノベルアップ+版の記入例付き全パターンはBL Prompt Kit(BOOTH)に収録しています。
まとめ
カクヨムでAI小説のPVを伸ばすポイントは3つ。①タグを「読者が検索する粒度」に設計する、②1話2,500字前後に分割して「引き」で終わる、③冒頭3行でカメラを動かして読者を掴む。
テンプレートの記入例付き全パターンはBL Prompt Kit(BOOTH)で配布中です。
CharaNote開発日記
「AIに口調を守らせたい」——この記事で紹介したテンプレートを、もっと直感的に管理できるツールを作っています。
CharaNoteは、キャラ設定シートをAIが読める形式で保存し、どのAIツールにもワンクリックで渡せるキャラ管理アプリです。現在クローズドβに向けて開発中。
進捗や先行アクセスの案内はCharaNote公式で。