AI創作ラボ

AIで小説を書くための実践ガイド

2026-04-03AI小説 語尾 同じ 直し方

AI小説の語尾が同じになる原因と直し方——「ました」連鎖を断つ実践テクニック

ChatGPTに3,000字のシーンを書かせた。読み返す。

桐島は動物病院の裏口から出ました。空は曇っていました。フードトラックの前に立ちました。湊がカレーの鍋をかき混ぜていました。桐島はいつものチキンカレーを注文しました。湊はスプーンを置きました。

6文連続「〜ました」。内容は悪くないのに、文末が全部同じだと目が滑る。

この記事では語尾固定を3パターンに分類し、パターンごとの処方箋と根本から防ぐプロンプト設計を解説する。同じシーンにプロンプトを加えた結果を先に見てほしい。

裏口を出ると、十一月の風。フードトラックのカウンターだけが明るい。 湊が鍋をかき混ぜている。カレーの匂いが流れてくる。 「いつもの?」 桐島は頷きかけて、やめた。カウンターの端に見慣れない小鉢。 「新作。食べてみて」 スプーンが差し出される。湊は桐島の目を見ない。

過去形・現在形・体言止め・セリフが混在し、同じ語尾の連続がない。この変化をプロンプトで再現する。

AIが同じ語尾を繰り返す構造的な理由

AIは1トークンずつ生成するため、直前の数文が「〜ました。」で終わると次も「〜ました。」になりやすい。一度はまると加速する自己強化ループ。加えて「〜ました」「〜だった」は文法的に破綻しにくい「安全な選択」であり、体言止めや倒置はAIにとって「リスク」。指定がなければ無難な語尾に収束する。

バグではなく設計上の特性だから、「安全な選択をさせない」プロンプト設計で対処する。

語尾固定の3パターンと処方箋

パターン1: 過去形ループ(〜ました / 〜だった / 〜た)

最も多い。「です・ます」調なら「〜ました」、「だ・である」調なら「〜だった」で全文が埋まる。丁寧度が違うだけで根は同じ——全文が過去形で閉じている。

処方箋:

【文末バリエーション指示】
- 同じ語尾を3文以上連続させない
- 目安の比率:
  - 過去形(〜た/〜だった/〜ました): 40%
  - 現在形(〜る/〜ている): 20%
  - 体言止め: 20%
  - その他(倒置、疑問、比喩止め): 20%

パターン2: 進行形ループ(〜していた / 〜ていた)

シーン描写が全て「状態報告」になり、映像が動かないパターン。

桐島はカレーを食べていた。湊は次の客を待っていた。雲が空を覆っていた。

処方箋:

【描写ルール】
- 「〜していた」「〜ていた」は1段落に最大1回
- 動作は完了形(「〜した」)で切るか、現在形で臨場感を出す
- 風景描写は体言止めか比喩で止める

パターン3: セリフタグの繰り返し(〜と言った / 〜と答えた)

「いつもの?」と湊が言った。 「いや、今日は新しいやつ」と桐島が答えた。 「辛いの平気だっけ」と湊が聞いた。 「平気だ」と桐島が言った。

小説ではなく台本の体裁。処方箋を適用するとこう変わる。

【セリフの書き方】
- 「〜と言った」系のタグをつけない。代わりに動作描写を挟む
- 話者が明確な場合はタグを省略する

「いつもの?」 湊の手がスプーンに伸びかけて止まる。 「いや、今日は新しいやつ」 「辛いの平気だっけ」 桐島は頷いた。メニュー表なんて見ていない。湊の手元を見ていた。

タグが消え、動作がキャラの内面を漏らす装置になった。セリフの不自然さ全般はAI小説のセリフを自然にする方法を参照。

語尾制御・口調キープ・演出ルールをまとめたプロンプトフルキットはBL Prompt Kit(BOOTH)に収録している。

語尾の繰り返しを根本から防ぐプロンプト設計

個別パターンの処方箋は対症療法。根本対策が2つある。

リズム制御プロンプト

文の長さと語尾をセットで制御する。

【リズム制御】
- 文の長さに緩急をつける。10字以下の短文と40字以上の長文を交互に使う
- 短文は体言止めまたは1語で止める
- 長文は余韻のある語尾(〜ている、〜のかもしれない)で閉じる
- 3文連続で同じ語尾を禁止する

文の長さが変わると語尾の選択肢も変わる。 短文を体言止めで切れば「〜ました」ループから強制離脱する。AI小説の地の文の書き方ではリズム制御を地の文全体に応用する方法を解説している。

文体見本プロンプト

好きな小説家の文章を3〜5文渡して「この文体で書け」と指定する方法。

【文体の参考】
以下の文体を模倣してください。語尾のバリエーション、文の長さの緩急、体言止めの使い方を踏襲すること。

> 裏口を出ると、風。十一月の、骨に届く風。フードトラックのカウンターに灯りがついている。規則正しい音。

この文体を維持して、以下のシーンを執筆してください。

「語尾を変えて」という抽象指示より具体的な見本の方が精度が高い。文体制御の詳細はChatGPT小説の文体を変えるプロンプト設計を参照。

まとめ

語尾固定は過去形ループ・進行形ループ・セリフタグの3パターン。自分の原稿がどれか特定し、処方箋を適用するのが最短ルート。根本対策はリズム制御文体見本の2つ。仕上げにAIへ「同じ語尾が3文以上続く箇所を列挙して直せ」とセルフレビューさせると精度が上がる。

AI小説の「AI臭い」を直す方法の演出ルール(感情説明の禁止)と語尾制御を組み合わせると効果が増す。演出ルールが「何を書かないか」、語尾制御が「どう終わらせるか」——別レイヤーだから両方入れて初めてAI臭さが消える。

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