AI創作ラボ

AIで小説を書くための実践ガイド

2026-04-06AI小説 文体模写 プロンプト

AI小説の文体模写プロンプト——好きな作家の「空気」を再現する3ステップ

「この雰囲気で書いて」——参考テキストを貼り付けたのに、返ってきたのは語尾だけ真似た説明文。出力を全選択し、削除する。

「雰囲気」を言語化しなければAIには伝わらない。文体を4軸で分解しプロンプトに変換する。

ステップ1: 文体を4軸に分解する

「〇〇風に」では伝わらない。文体は4軸で分解する。

  • 語彙: 和語/漢語の比率。口語の混入度
  • リズム: 一文の字数、体言止め頻度、句読点の打ち方
  • 視点距離: 心情を直接書くか、行動だけで示すか
  • 空白: 改行頻度、会話と地の文の比率

ChatGPT小説の文体を変えるプロンプト設計でも述べたが、分解なしに「硬質に」と書いてもデフォルトの文が返る。

ステップ2: 4軸をプロンプトに変換する

完成形の例。大友泰正(38・家具修理職人)と畑中想真(24・音楽療法士)の献血ルームのシーン。

【文体ルール】
- 語彙: 和語6割・漢語4割。外来語は固有名詞のみ
- リズム: 一文30字以内。体言止め1回/段落。読点は1文1個
- 視点: 三人称(大友視点)。「思った」「感じた」禁止
- 空白: 会話直後に動作描写1文。地の文2〜3文で改行

【シーン】
献血ルームの待合ソファ。想真が採血後にふらつき、泰正が黙って缶ジュースを差し出す。

空テンプレート版。

【文体ルール】
- 語彙: {和語/漢語/口語の比率}
- リズム: {一文の字数目安。体言止め頻度。句読点ルール}
- 視点: {人称。禁止する感情語。代替の描写手段}
- 空白: {改行ルール。会話と地の文の比率}

【シーン】
{場所}。{キャラA}({年齢}・{職業})と{キャラB}({年齢}・{職業})。{関係性}。{場面を1〜2文}

{}を埋めれば完成する。ジャンル別記入例と応用パターン全部入りはBL Prompt Kit(BOOTH)のフルキットで。

ステップ3: テスト出力でズレを直す

プロンプトなしの出力と比較する。

文体指定なし(before) 大友は想真がふらついているのを見て心配になった。「大丈夫?」と優しく声をかけた。想真は嬉しそうに「ありがとうございます」と答えた。

4軸指定あり(after) 想真の肩が揺れた。椅子の背を掴む指が白い。 大友は立ち上がり、自販機に向かった。りんごジュース。ボタンを押す音だけが落ちる。 「……どうぞ」 想真が缶を両手で包んだ。指先がまだ震えている。

▶ 変えたのは"感情を直接書く代わりに、手の動きだけで描写する"だけ。

文体とは「何を書かないか」の選択だ。「心配になった」「嬉しそうに」を封じると、AIは行動で間接表現するしかなくなる。AI小説のキャラ口調テンプレート一覧の口調固定と同じ「制約が創造を生む」原理だ。

ズレが出たら1軸だけ変えてリトライする。複数同時だと原因が特定できない。

まとめ

  • 文体模写は「雰囲気」ではなく4軸(語彙・リズム・視点・空白)で指定する
  • 完成形 → 空テンプレートの順で作ると別シーンにも転用できる
  • ズレの修正は1軸ずつ

文体模写テンプレートの全パターン(ラノベ風・純文学風・耽美系など記入例付き)はBL Prompt Kit(BOOTH)で。口調設計はnoteの解説記事でも公開中。

CharaNote開発日記

「AIに口調を守らせたい」——この記事で紹介したテンプレートを、もっと直感的に管理できるツールを作っています。

CharaNoteは、キャラ設定シートをAIが読める形式で保存し、どのAIツールにもワンクリックで渡せるキャラ管理アプリです。現在クローズドβに向けて開発中。

進捗や先行アクセスの案内はCharaNote公式で。