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AIで小説を書くための実践ガイド

2026-03-31ChatGPT BL 書き方

ChatGPTでBL小説を書く方法——「それっぽいBL」を「刺さるBL」に変える構造

ChatGPTでBL小説を書く方法——「それっぽいBL」を「刺さるBL」に変える構造

ChatGPTに「外科医×看護師のBLで、屋上でおにぎりを食べるシーンを書いて」と指示した。返ってきた文章の攻めと受け、口調がほぼ同じ。「ありがとう」「いつでもそばにいるよ」——どちらがどちらのセリフかわからない。

ChatGPTはBL小説を「書ける」。ただし、何も指定しなければ「BLっぽい何か」しか出てこない。攻めと受けの口調が区別できない、感情が全部説明文、展開が予定調和。この3つの壁を越える方法を、具体的なプロンプト構造で解説する。

ChatGPTがBLを書けない原因は「設定の渡し方」にある

「性格:クールで寡黙な外科医」——この一行をChatGPTに渡しても、出力されるのは「クールっぽい平均値」のキャラ。人間なら「クール」という言葉から口調や仕草を想像できるが、AIにはそれができない。

必要なのは、口調を分解して渡すこと。

■ 口調ルール(最重要)
- 一人称: 俺
- 二人称: お前(瀬川に対して)
- 語尾の癖: 〜だろ、〜だな(断定が多い。疑問形を避ける)
- 話し方の特徴: 短文。余計なことを言わない
- 絶対に使わない言葉: 「可愛い」「好き」などの直接的な愛情表現
- セリフ例:
  1. 「……別に。そう思っただけだ」
  2. 「黙れ。……頼むから、黙っててくれ」
  3. 「帰るぞ、瀬川。終電なくなる」

このテンプレートは「BL Prompt Kit」キャラ設定シートの一部です

ポイントは3つ。一人称と語尾の癖で口調の骨格を決め、セリフ例でAIに「この人はこう喋る」という具体例を学習させ、絶対に使わない言葉でAIの「いい話」着地を防ぐ。

「好き」を禁止された攻めキャラは、代わりに「帰るぞ、終電なくなる」で感情を表現するしかなくなる。この「制約」がキャラの個性を生む。

BL小説の攻め・受けをChatGPTに理解させるキャラ設定シート

口調だけでは足りない。BLの核は関係性のダイナミクス。攻めと受けの間にある「非対称な感情」をAIに理解させる必要がある。

キャラ設定シートの「関係性」セクションがこの役割を果たす。

■ 関係性
- 瀬川蒼に対する態度: ぶっきらぼうに世話を焼く。距離が近いが本人は無自覚
- 瀬川蒼に対する本音: 「こいつがいないと調子が狂う」と思っているが恋愛感情だと認識していない
- 関係性の現在地: 親友。凛だけが片想い(無自覚)
- 攻め/受け: 攻め

このテンプレートは「BL Prompt Kit」キャラ設定シートの一部です

「態度」と「本音」を分けるのが重要。AIに「ぶっきらぼうだが本音では気にしている」と伝えると、行動と内面のギャップが出力に反映される。「世話を焼くが理由を言わない」攻めキャラと、「笑ってごまかすが本当は無理をしている」受けキャラ。この構造があるだけで、ChatGPTの出力は一段変わる。

攻め・受け両方のシートを作り、必ず両方をプロンプトに貼り付ける。片方だけだとAIは相手キャラを自分で補完してしまい、設定が噛み合わなくなる。

「AI臭い文章」を消す演出ルール

キャラ設定を整えても、もう一つの壁がある。「霧島は嬉しかった」「瀬川は切なくなった」——ChatGPTは感情を直接説明する癖がある。これがいわゆる「AI臭さ」の正体。

BL小説の良いシーンは、感情を書かない。動作と沈黙で読者に「読み取らせる」。

プロンプトに以下の4行を追加する。

【演出ルール】
- 感情は説明しない。表情・沈黙・動作・セリフだけで表現する
- 「嬉しかった」「悲しかった」のような心情説明は禁止
- 感情が高ぶるほど言葉を少なく、動作を小さくする
- 読者が自分の心の中で感情を「生成」するように設計する

この4行を入れるだけで、出力が変わる。

演出ルールなし 霧島は嬉しかった。瀬川の優しさに触れて、心が温かくなった。「ありがとう」と素直に言った。

演出ルールあり 霧島は二個目のおにぎりに手を伸ばした。「……梅か」「うん。霧島、梅好きでしょ」違う。好きなのは昆布だ。そう言おうとして、やめた。

同じAI、同じキャラ、同じシチュエーション。違うのはプロンプトの構造だけ。「ありがとう」が消え、代わりに梅のおにぎりが感情を運ぶ。

AI小説の文章がなぜ不自然に感じるかは、AI小説の「キャラ崩壊」を構造で解決する方法で詳しく分析している。

ChatGPTでBLシーンを書く実践手順

ここまでの要素を組み合わせて、実際にシーンを書かせる手順をまとめる。

ステップ1: キャラ設定シートを埋める(攻め・受け各1枚)

基本情報、口調ルール、性格、内面、関係性、現在の状態。すべて埋めてからChatGPTに貼り付ける。「あとで決める」はNG——AIは空欄を勝手に埋めてしまう。

ステップ2: 演出ルールを追加する

前述の4行を、キャラ設定シートの前に追加。ChatGPTは「最初に読んだ指示」に強く影響されるため、冒頭に置くのが効果的。

ステップ3: シーンの演出指示を書く

■ このシーンのゴール:
凛が蒼への感情を初めて自覚しかける

■ 感情の方向:
凛: 苛立ち → 動揺(蒼への感情に気づきかける)
蒼: 心配 → 戸惑い(凛の態度がいつもと違う)

■ 禁止事項:
- 凛に「ありがとう」を言わせない
- 告白させない
- 泣かせない

「何を書くか」よりも**「何を書かないか」**を指定する方が、AIの出力は面白くなる。「告白させない」と縛ると、AIは告白以外の方法で感情を表現しなければならない。結果、予定調和ではないシーンが生まれる。

まとめ

  • ChatGPTでBL小説を書くカギは、口調ルール(一人称・語尾・セリフ例・禁止語)の構造化にある
  • 演出ルール4行を追加するだけで「AI臭い感情説明」が消え、動作と沈黙で語るBLになる
  • 「何を書かないか」を指定する禁止事項が、キャラの個性と展開の意外性を生む

この記事で紹介したキャラ設定シート・演出ルール・シーン生成プロンプトのフルセットは、BL Prompt Kit(BOOTH)からダウンロードできる。BL版・夢小説版・汎用版の3ジャンル分の記入例付き。ChatGPTとClaude対応。

AI小説の口調が崩れる原因と対策も合わせて読むと、キャラの「声」を維持する具体的な方法がわかる。