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2026-04-03Claude BL 小説 書き方 プロンプト

ClaudeでBL小説の書き方——「行間で語る」プロンプト設計術

Claudeは文章の「密度」に定評がある。だが何も指定しなければ、攻めも受けも同じ口調で、感情は全部説明文、クライマックスで「温かい気持ちが流れた」で着地する。この壁はプロンプトの構造で越えられる。

ClaudeがBLの「行間」を書ける理由

ChatGPTはセリフのテンポで勝負する「量型」。Claudeは動作と沈黙に感情を仕込む「密度型」。BLの核心——「好き」と言わずに好きだと伝える瞬間——は、この密度型と相性がいい。

「帰れよ」と言いながら相手の襟を直す。Claudeはこの「矛盾の描写」を自然に生成する。ただしプロンプトが構造化されている場合に限る。ChatGPTとの比較はこちら

キャラ設定を「3層」で構造化する

「攻め: ワンコ系、24歳」だけでは「元気で素直な青年」が出力される。出力精度を上げるには、口調ルール・関係性・矛盾の3層で渡す。

【口調ルール: 白石陸(攻め)——ダンスインストラクター、24歳】
- 一人称: 俺
- 語尾: 「〜っすよ」→ 年上相手に敬語崩れ
- セリフの特徴: 長め。言わなくていいことまで言う
- 絶対に使わない言葉: 「別に」「どうでもいい」
セリフ例:「あ、鷹野さん。今日もっすか、この暑いのに」

【関係性】
- 態度: 毎日現場に差し入れを持っていく。理由を聞かれると「通り道なんで」
- 本音: この人の仕事を見ているとき一番落ち着く。それが何を意味するかはまだ言語化できない

【矛盾】
- 表: 誰にでもフレンドリー。「俺みんなに同じっすよ」
- 裏: 鷹野の前だけ声のトーンが変わり、動作がぎこちなくなる
- 本人の認識: 自分が特別扱いしていることに気づいていない

口調ルールが最も重要で、セリフ1行が抽象説明より高精度。矛盾の層がClaudeの出力を変える——「表と裏が違うキャラ」の指示で、行動に表を演じつつ小さな動作に裏をにじませる。これがBLの「行間」になる。

攻めと受けの両方を必ず渡す。 片方だけだとClaudeが補完して設定が噛み合わなくなる。攻め受けの書き分けはAI BL攻め受けプロンプトテンプレで解説している。フルキットはBL Prompt Kit(BOOTH)でダウンロードできる。

「行間で語る」シーン生成プロンプト

演出ルール: 「いい話」着地を防ぐ

プロンプトの冒頭に置く。キャラ設定より前に配置することで効果が上がる。

【演出ルール】
- 感情は説明しない。表情・沈黙・動作・セリフだけで表現する
- 「嬉しかった」「胸が熱くなった」のような心情説明は禁止
- 感情が高ぶるほど言葉を少なく、動作を小さくする
- 「いい話」で終わらせない。余韻を残して切る

演出ルールなし 白石は鷹野の手に気づいてドキドキした。「かっこいいっすね」と言った。鷹野は「くだらないこと言うな」と返したが、内心では嬉しかった。

演出ルールあり 白石は壁を塗る鷹野の右手を見ていた。その指が一瞬だけ止まった。 「……何見てんだ」 「いや、なんでもないっす」 白石は自分の手を見た。鷹野の半分くらいしかない。ペットボトルのキャップを回しながら、答えが出ないまま現場を出た。

「ドキドキした」「嬉しかった」が消え、ペットボトルのキャップが感情を運んでいる。AI臭い表現の消し方はAI小説の「AI臭い」を直す方法で掘り下げている。

感情密度を5段階で制御する

「もっとエモく」より数字指定の方が安定する。レベル1(日常)はセリフ多め、レベル3(揺れ)で沈黙が増え、レベル5(決壊)ではセリフが消えて動作と呼吸だけ。「感情密度: レベル3/5」と書くだけで出力の温度が変わる。

シーン指示のコツ

「何を書かないか」を指定する。 「告白させない」と縛れば告白以外の方法で感情を表現せざるを得ない。制約が「行間」を生む。

BL短編を書き上げるフルフロー

  1. キャラ設定シートを2枚作る — 攻め・受けそれぞれ3層。空欄はNG
  2. 3幕構成で骨格を決める — 日常→自覚→余韻。第3幕であえて密度を下げると余韻が膨らむ
  3. 1幕ずつ生成する — 一度に全部書かせると設定がブレる。前の幕のあらすじを含める
  4. 推敲はチェックリストで — 感情説明→動作に、口調ブレ修正、「いい話」着地の削除

Claude Projectsで小説を書く方法でキャラ設定を格納すれば毎回のコピペが不要に。ChatGPTでのフローはChatGPTでBL短編を書く方法で解説している。

よくある壁と突破法

  • 口調が5ターンでブレる → 幕の区切りで口調リマインド(一人称・語尾・禁止ワード)を送る
  • クライマックスで説明文に戻る → 「最後の1行は動作で終わること」を追加
  • 全員が「いい人」になる → 「欠点は重要な要素。矯正しないこと」と明記
  • 出力が途中で止まる → 「800字で」と上限を数字で指定。詳しい対策はこちら
  • R-18描写の制限 → 「暗転」で処理。直前で切り、暗転後は距離感の変化だけ示す

まとめ

ClaudeでBL小説を書くカギは、「密度型」の出力特性を活かすプロンプト設計にある。

  1. キャラ設定を3層で構造化する — 口調ルール・関係性・矛盾が「行間」を生む
  2. 感情密度を数字で制御する — レベル1〜5でシーンごとにメリハリをつける
  3. 「何を書かないか」を指定する — 禁止事項が表現を引き出す

テンプレートのフルキットはBL Prompt Kit(BOOTH)でダウンロードできる。キャラ設定をAIが読める形式で保存・管理したい方はキャラノート(β)も試してほしい。

CharaNote開発日記

「AIに口調を守らせたい」——この記事で紹介したテンプレートを、もっと直感的に管理できるツールを作っています。

CharaNoteは、キャラ設定シートをAIが読める形式で保存し、どのAIツールにもワンクリックで渡せるキャラ管理アプリです。現在クローズドβに向けて開発中。

進捗や先行アクセスの案内はCharaNote公式で。